元  ち  ゃ  ん  の  山  紀  行
草津白根山 (2171㍍)
<群馬県  草津町>
平成13年06月25日




 梅雨の一時の晴れ間を期待して、今日も車を走らせた。天気予報も、発表毎に目まぐるしく変わるし、もうこうなると、自分の休日は、「晴れるんだ。」と言い聞かせての出発である。午後4時過ぎに、義姉を富山へ、迎えに行かなくてはならない、条件付の厳しさもあったが、山行なしの休日など、考えられないようになってしまっている。
 午前3時に家を出る計画だったのが、就寝が午前1時になってしまい、少しばかりの寝坊になってしまった。滑川から高速に入り、果て、どの料金所で降りようかと迷った。「中野」が一番近いのはわかっていたのだが、毎週出掛けていると、つい料金が頭に浮かび、「上越高田」から、新井、富倉峠、飯山の道を選んだ。しかし、新井市街地で迷ってしまい、余計な時間を費やしてしまったが、後の祭りだった。
 「中野」から志賀高原への道路は、オリンピックの時に、改良されたのでしょうか、有料道路ではないかと思うほどの素晴らしいものになっていた。標高2050㍍の横手山ドライブインの横(のぞき)を通って草津方面へ。途中万座、鬼押し出し方面と道を別にして、暫くすると火山地帯特有の樹木のない、また、枯れ木の林が連なる山肌が見えて来る。

 お釜の下(左側)に大きな駐車場があり、道路右側に弓池と本白根山への登山口がある。料金所には未だ人影がなく、戻ったら払う事にして、雨の降らないうちにと先を急いだ。丸太で作られた階段を、10分程登ると気象庁の白根火山遠望観測の山小屋があった。その後は、何故と思うほどに、笹が茂っていて、遊歩道を探しながら下らなければならなかった。ゴンドラ駅に近づいた斜面が、これまたどうしてかと思うほどに、タンポポの群落で黄色くなっていた。弓池と登山口の間に、もう一つあった林道が、このゴンドラ駅に通じていて、駐車が無料。登って下って辛い目にあったのに、あの410円の駐車料金は何だかもったいなくなってしまった。

 ゴンドラ駅横の「頂上まで2.4キロ」の道標を見ながら、本白根ゲレンデ側のルートを選んだ。短いツガ林の整備された道を行くと、まもなく火山地帯特有の枝葉のない木々が現れる。そして、突然「カラ釜」と言われるところに出ると、釜の反対側の、今にも崩れそうな砂礫の斜面に、植え付けられコマクサが、可憐な表情を見せていた。

 その斜面を、釜の周りを沿うようにつけられた遊歩道を行く。鏡平からの遊歩道と合流する頃から、一面にコマクサが咲き誇り、草津白根山は、「コマクサの山」と言っていいくらい見事な咲きぷっりだった。 "コマクサを大切にしよう" 地元中学の手作りの看板が数多く見受けられ、彼らの奉仕活動が、効を奏し、現在の誰が見ても素晴らしい光景になっているに違いない。火口壁と言うのか、稜線に出ると、また一段とコマクサの群落を見るのである。
 ひと登りすると「遊歩道最高点2150㍍」の標識があった。どうやら、現在はこの歩道上で最高点とし、厄介なトラブルを防ぐための狙いがあるようだ。
 しかし、我々は納得しなかった。最高点から万座方面へ少し行くと、「立ち入り禁止」の看板とロープが張ってあった。硫化水素ガスが発生するので、危険と言う事らしいが、それも風向きによってであろうと思い、よく踏まれた道を頂上に向かって歩んだ。僅か15分程の道程だが、やはりガスの臭いが、時にはきつく感じられ、展望も良くない頂上で、記念写真を撮ってすぐ引き返した。頂上にある看板には、2171㍍と記入されていた。今一度最高点に戻り簡単な食事をした。雨の合間の展望に、浅間山を望むのは、欲張りだったかも知れないが、最後まで、その薄っすらとした輪郭でさえ、見せてくれなかったのは寂しかった。僅かに妙義、榛名の山々が、ほんのチョッピリ頭の部分だけが見えた。でも、反対側の笠ヶ岳(2076㍍)と横手山(2304㍍)は、今回あわよくば、一緒に登る山だっただけに頗る立派に見えた。

 往路の"コマクサの街道"を復路としても気持よく下り、分岐から、綺麗な木の階段を登ると本白根展望台に着く。最後のコマクサを眺めながら、ハイマツ、シラビソの中に入って行く。次第に木々が高くなってくると鏡池に出る。木道が階段になる頃から、何故かこんな所にコバイケソウがあり、マイズルソウの葉が目立つようになってきた。斜面をトラバースするような道が、残雪がある沢を渡ると、やがてタンポポの平原が現れゴンドラ駅横に出た。もうひと山、越さなければいけないのだが、今度は駐車場へは、林道を歩いてみる事にした。その頃から、雨がポツリポツリとやって来た。車に寄らず直接お釜見学に行く事にした。一般観光客の中に異様な格好の二人が歩くわけだが、そこは断然歩調が違いお先に!と言う感じだった。

 初めて見るエメラルドグリーンのお釜は、私の想像を超えるものであり、やはり好き嫌いせず、何処へでも顔を出さなければいけないと思っていたら、また雨がやって来た。バスガイドの研修生一行も、急いで退散していった。駐車場に戻ったら、早速未払いの料金を請求されたが、今日の山行全体を考えると、いい気分で支払いが出来た。
   帰路、横手山ノゾキで、横手山登頂の未練もあったが、これも今日の時間制限、雨などもあり、またの機会に委ねた。







★★コースタイム★★
高岡3:50=滑川4:34=越中境(4:54~5:00)=上越高田=富倉峠=白根山駐車場(7:38~8:00)=登山口8:10=林道8:25=分岐9:00=最高点(9:15~30)=草津白根山頂上9:45=最高点(10:00~30)=分岐10:40=本白根展望台(10:45~50)=鏡池(11:07~10)=ゴンドラ駅横11:38=白根山駐車場11:55=お釜(12:05~15=)駐車場(12:20~26)=横手山のぞき(12:40~53)=富倉峠=新井=上越=滑川=富山=高岡5:20

  <往路 滑川~上越高田  復路 上越~滑川  高速利用>

 ★★同行者★★
       比佐恵