元   さ   ん  の   山  紀  行
 
妙 高 山 (2,454m)
<新潟県妙高市> 平成24年10月03日





大倉沢で道が分からなくなり、ビバークを選択。





~~ 夜は長かった。  ~~


夜は長かった。 夜明けと共に出発。 標識があった。


~~  ~~


燕温泉を目掛けて、ひたすら歩いた。 二合目(麻平分岐)標高1,340m
燕温泉まで1・2キロ


「あれは、燕温泉だ!」


~~ 燕温泉は近い。 ~~


対岸の惣滝 名も確かめず橋を渡る。


「ようやく戻った。」という感じであった。


車に戻りホッとした。 燕温泉 足湯に浸って疲れを癒した?


燕温泉に下山して、案内図を見直してみた。


もう一度妙高山を振り返って、高岡に向かった。






  元さんの戯言・呟きから

10/3 「一睡も出来なかった。」 が正直なところ。雨具を着、リックを敷き、ゴミ袋巻きをしても寒かった。私は、殆どツエルトの外にいた。食は万が一の為になるべく控えたが、電池などの予備は充分すぎるくらい持参していたから、元に戻る事も視野にいれていた。

 明るくなったら、地図を読み返し、GPSを確かめる。また偵察に出掛けなければだけを考えていた。何もかもは明るくなってからであった。  よくみれば、川沿いに大きな標識があり、矢印もはっきり付いている。「良かった。」 と胸を撫で下ろしたが、もし、前日に見付ける事が出来、ヘッデンを頼りに歩いていたら、どうなっていたかである。

 眠い目をしての運転は大変であったが、「仕事の穴」 を、半日だけで食い止められて良かったである。20数年前、子供達を連れて黄金清水まで来た事があったが、記憶が覚束ないのか、様変わりしたのか、自分の想像と全く違っていた。



10/4 昨日は、一睡も出来なかったが、何とか午前10時過ぎに店を開ける事が出来た。2~3人のの方に迷惑を掛けたようであったが、「帰れなかった。」 「ちょっとハプニングがあって・・」 などと、平謝りをするしかなかった。一日中睡魔との戦いであったが、座らないで何かをする事で紛らわした。

 「今日は、一杯飲んで早めに寝よう。」 と思っていたのだが、それこそ、ちょっと余計に飲んだからなのだろうか、そのまま寝てしまったようであった。午後8時過ぎの夕食だったのに、目を覚ましたら、午前0時を回っていた。後から、「山ノ神」に聞いてみると、椅子にすわったまま、反り返って寝てしまったようである。

 失敗が幾つも重なった。今振り返って見ると、平静を装っていてもかなりパニックになっていたように思う。地図を読み違えているのに、GPSを頼りにして、往路の軌跡へ辿り着こうとした事である。木々・笹にしがみつきながら、50分60m登った軌跡がある。戻るのに40分。急勾配である。

 そこから、もし計画通りに進んで、長いトラバースを凌いでおれば、麻平~天狗堂への登山道に出たのであるが、「山ノ神」はもうヘトヘトであった。「戻ろうか?」 も、真っ暗で大変であったが、少し安堵した感じであった。 正規の登山道でさえ見失うのであるから、急斜面のヤブ中なんか、行けるハズがなかったかもしれない。それこそ滑落し、遭難の烙印を押されていたかもしれない。

 今回の騒動で一つだけ勉強になった事があった。沢を渡る時、「山ノ神」は、石から石を飛ぶ事を拒んだため、私が流れの中に入って確保した。その事もあり靴・靴下が濡れてしまった。寒い夜を過ごさなければならないのである。「山ノ神」は、余分に軍手を持参していた。軍手を靴下代わりにして履いた。これが結構良かった。

 以前靴下を忘れた事があった。その時、福井の宮ちゃんから、軍手を履く事を教わっていた。登山を中止にする事を免れたのである。そのような事を「山ノ神」は、想像していたかどうかは分からないが、たぶん自分の為の予備であったのであろう。

 今回は、秋口の急な冷え込みの備えはしておいたが、まさか、あんな所でビバークをするとは思ってもみなかった。facebookを通じて大和氏から、積極的なビバークの訓練の助言を受けた。その通りかもしれない、以前、何処かの首長が、「訓練以上の事は出来ない。」 と言われた事が、心の何処かに残っているが間違いない。



10/5 一般に使われているのは、屋根型のツエルトですが、私のは、箱形というのか四角くて古いものでした。二度ほど使った事があったのですが、使い勝手は、あまり良いとは言えず、まあ~、非常時は頭から被って、風雨や寒さを凌げば良いと思っていました。

 今までは、昼食時に、雨や雪を凌ぐ程度の使い方であったわけで、イザ長い夜を過ごすにあたっては、いろいろと考えさせられました。頭から被ってしまえば、温かくていいのですが、結露が発生しました。また、背もたれもない所で、座っているわけですから、背中や腰が痛く(だるく)なりました。

 寝るにあたっては、幸い、時々小雨程度であったし、水しぶきくらいでしたから、地面が冷たいだけで、グチャグチャになる事はなく、リックをマット代わりにしました。元々、日帰りでも、大きめのリックを担いでいるものですから、60~70㎝位の長さがあります。

 でも、私の身長では、お尻がリックから、はみ出てしまいます。雨具を着ているといっても、時間の経過と共に冷たくなっていきました。 そこで、枕にしていた雨蓋も、マット代わりにすれば、はみ出る事が解消出来ました。後は、枕ですが、それは、いろいろな持ち物で考えられるでしょう。

 今度は、リックの中に入っている物をどう調節するかでした。燃料のガスやコンロのようにゴツゴツして痛い物、食材やペットボトルなど潰れたら困る物、そして、カメラや通信機器のような外に出して濡れたら困る物などを、水を通さない袋に入れておかなければなりませぬ。

 そうすることにおいて(頭・背中・尻が落ち着く)、休む事が出来るような気がします。でも、私は、眠る事が出来ず、半分以上の時間をツエルトの外にいました。元来、非常時のツエルト使用とは、命を救うもので、快適とか眠れないとかはどうでもいいのです。少々寒くても眠れなくても、死ぬ事はありませんから・・・

 そして、「平でない。」 「張り綱も張れない。」 「虫だっている。」 というような事の方が多いと思いますが・・・ でも、こんな事にならないように、慎重すぎるくらいになるよう心掛ける。そして、昨日も述べましたように、「訓練以上の事は出来ない。」 を肝に銘じておかなければいけないようです。それは、ロートルも若き者など、関係ないような気がしてなりません。






 ■■■ コースタイム ■■■
 大倉沢5:30=二合目(麻平分岐)6:10=一合目6:30=燕温泉6:50

  ■■同行者■■
          比佐恵