元   さ   ん   の   山   紀    行
白 馬 岳(2,932.2m)
<富山県朝日町・黒部市・長野県白馬村>  平成20年07月28日



強風にお花も揺れる。それでも撮らなくちゃ!


午後1時13分 強風の山頂に立つ





雨の中、蓮華温泉を出発! 登山口の蓮華温泉を見下ろしながら・・ 蓮華の森で早くも水分補給


天狗ノ庭までは、順調であったが・・ 岩場から水が吹き出ている 白馬大池に近付くと森林限界となる


アオノツガサクラ ハクサンイチゲ ハクサンコザクラ チングルマ


白馬大池 白馬大池付近のお花畑 チングルマ


白馬大池も、ガスに隠れそう イワギキョウ 風車(チングルマ)


強風を凌ぐため、小蓮華山直下で休息 稜線は、風当たりが凄い! それでも山頂を目指す事に(三国境)


下界の惨事も知らないで・・ 岩陰に入れば、強風を凌げた ちょっと、戸惑った


山頂にタッチして、下山となる 立ってられない強風に参る 下山時、シュンちゃん・N氏と遭遇!


クルマユリ


シナノキンバイとハクサンイチゲ


ハクサンイチゲとシナノキンバイ


ウルップソウ





「7/27~7/30コラム(山つれづれ・・・より)」

7/27 朝方からゴロゴロと鳴っていたが、お昼過ぎから、とうとう降り出した。明日はどうしたものか?
    「6/23白鳥山・6/30白木峰・7/7雨飾山・7/8牛岳・7/14大日岳・7/20~21剱岳」 と、このところ、大小・長短は別にして、連続5週6回の山行が雨具使用である。明日も必ず着なければなるまい。でも、稜線でのゴロゴロはイヤだな!

 大雪渓を登り、白馬大池から栂池へ降る由利香女史と、その白馬大池~白馬頂上間で、お会いする事を期待している我々であるが、どのような天候になるのか心配である。由利香女史は友人二人と二泊の予定。我々は、蓮華温泉から日帰りである。 



7/28 由利香女史に会いたくて、午前2時過ぎに家を出た。それは、時間的余裕を意識したからである。でも、ピカピカゴロゴロがずっと続いた。そして、平岩から蓮華温泉への林道途中から雨になり、蓮華温泉に着いた頃には強さを増してしまった。

 雨の強さと雷に少々怯み、車で待機をしている間に、不覚にもウトウトしてしまい、せっかくの余裕をパーにしてしまった。小降りになった頃に出発となったのであるが、ちょうど白馬岳~朝日岳を経由して、蓮華温泉に戻るという「シュンちゃん」と出くわした。1時間40分ものロスを生じた事と、日帰りである私達は、当然先を急がせてもらった。

 白馬大池泊の大勢の方々が、白馬岳や朝日岳を行くのを諦めて下山して来られるのに、我々の「白馬岳日帰り」 だと聞いて、呆れ返られてしまった。「強風に気をつけて・・」 激励・警告の二つの意味を兼ね備えた言葉に送られたのであるが、小蓮華山を過ぎた頃から、まともに風を受ける羽目になった。「風除けになれ!」 と山ノ神に言われたのであるが、結果的には手を握っての歩きに変わってしまった。

 視界もなく台風並みの風に、それも、日帰りなのであるから何の楽しみもないのである。しかし、今日は、「もう止めよう。」 と山ノ神は言わなかった。小蓮華山では既に午前11時半であったから、由利香女史達との遭遇は、最早考えられないのであるが、「もしかしたら・・」 が励みになったのかもしれない。三国境からは、益々吹き曝され、岩陰で風が遮られる時は、ホットするほどであった。

 午後1時15分、やっとの思いで山頂に達したのであるが、食べ物を一口、飲み物で喉を潤すなどの余裕さえなく、無理矢理にカメラのシャッターを切って下山する事になった。シュンちゃん達と「やーっ」 と挨拶をし、三国境を過ぎてから、ハイマツの木陰で食事をしたのが、初めての大休憩(30分=午後2時から2時半まで)であった。

 3年連続4回目の蓮華温泉からの白馬岳日帰りに、慣れたからであろうか、山ノ神は頑張った。ちょっとペースが落ちたが最後まで頑張った。しかし、私がいけなかった。天狗ノ庭を過ぎて、蓮華温泉まであと1時間の所で、私が、つんのめったと言うのであろうか、けつまずいたと言った方がいいのだろうか、バランスを崩し、転んだのである。

 拍子が悪いもので、その転ぶ前に、踏ん張った事が災いし、前を歩いていた山ノ神を押し倒してしまったのである。お互い山側に、ドスンと頭を打ち付けながら転んだのである。不意を突かれた山ノ神は、なかなか起き上がれなかった。その事があって、緊張が途切れたのであろうか、山ノ神のペースが、ガクンと落ちて、足を引き摺るようになってしまった。何度も立ち止まるようになり、当然、不機嫌になり、言葉を発する事もなくなった。 それでも、明るい内に、車に戻る事が出来て良かったのである。



7/29 昨夜は、午後9時半過ぎに家に戻った。テレビを付けてびっくり、北陸の下界は、山以上に荒れていたようである。それを心配して、娘ムコ殿の実家から、また埼玉の姉から、そして、東京の娘から電話があった。「山に行っていた。」 は、その世界を知らない人達には、「戯けた事を・・」 ぐらいにしか思えなかったであろう。でも、病気(好山病)だと思ってくださる人達は、ある程度の理解してもらっているが、「いい歳して・・」 には、答える術を持たない。

 昨日は、由利香女史達と、白馬大池~白馬山頂のどの地点で出遭うか? また、どのような場所で休憩するかなど、いろいろ考えていた。(彼女達の帰りの時間があり、それが一番の心配であった。) そして、何が一番喜んでもらえるのかと、冷たいビール、温かいコーヒーと美味しいケーキなどを用意していた。

 しかし、登るに付け、このような天候では、逆方向での帰還など仕方がなかったかと思っていた。3年連続(一昨年は、丹沢。昨年は、立山・白山)で、今年も会える思っていたが、大自然の脅威には適わなかったのである。

 午後10時半過ぎ、由利香女史から、「今家に帰った。」 と電話をもらった。なかなか話の辻褄が合わなかったが、山頂小屋で、もう一泊して、先程戻ったとの事だった。白馬尻小屋で一泊、山頂小屋で二泊、そして、翌日白馬大池から栂池経由で白馬に戻り、帰還となったそうである。

 当然、白馬からの乗り物は、キャンセルになって、痛かったと言っておられたが、稜線歩きの展望は良く、雷鳥との遭遇もあり、「良かった!」 との感想であった。「すぐそこまで来ていたのなら・・」 は、山の友として、会える度に、共通の話題として、これからも語り続ける事が出来るであろう。そんな想い出が、私の財産でもあり、誰にもらえるものではない。 



7/30 「今朝、元さんのホームページを見て、増々恐縮しております。」 由利香女史からのメールの序文である。そして4枚の画像が添付されていた。その内の一枚は、白馬尻小屋で、バケツのような大ジョッキーを片手に、ニコニコしながらビール飲んでいるものであった。一年前と何ら変わらぬ様子を伺い白馬岳でお会い出来たような錯覚に陥ったから不思議!

 同行のフクちゃん様からは、「電波の届く所に出てから、山頂まで来られた事を知りました。」 とのメールをもらった。「残念!」は、「また何時か・・」 の糧になれば良いのではと思うのであるが、「七夕さま」では、間隔が、ちょっと長すぎるかも・・・





 ■■■コースタイム■■■
 高岡2:15=朝日IC3:15=糸魚川IC3:40=平岩4:05=蓮華温泉(4:50~6:40)=蓮華の森7:00=天狗ノ庭(8:20~25)=白馬大池(9:30~40)=小蓮華山(11:40~50)=三国境12:25=白馬岳頂上(13:10~15)=シュンちゃんと遭遇13:40=三国境13:50=食事(14:00~30)=小蓮華山15:00=白馬大池16:25=天狗ノ庭(17:25~30)=蓮華の森18:30=蓮華温泉(19:00~15)=糸魚川20:15=魚津20:50IC=高岡21:40

 ■■■同行者■■■
            比佐恵