元  ち  ゃ  ん  の  山  紀  行
天 蓋 山 (1,527.3b)
<岐阜県    神岡町>
平成15年05月19日




 前日の山行がハードだっただけに、今日は簡単な山を選び「天蓋山」行きとなる。神岡から双六渓谷沿いに車を走らせ、山之村「夕顔の駅」の前からキャンプ場に入り、400b程進むと大きな駐車場がある。ここはもう標高1000bを超えている。
標高差約500b、2時間

 炊事場に「頂上まで2時間」の標識を見て、右側から小川のせせらぎを聞きながら、新緑の芽吹きが感じられる白樺林の小道を行く。10分もすると小川の右岸に沿って歩くが、数分後にはその流れとわかれ、しばらくすると、また違った流れと合いその流れを跨ぐ。


頂上まで、ずーっと白樺が続く 感じのいい、小川沿いの道が続く

 次の流れを渡った所に黄色い花の群落を発見し、湿地帯だっただけにリュウキンカだろうかと、小枝を掻き分け進んで見たが、私の知らない小さな黄色の花だった。カメラに撮って家で図鑑で調べるつもりだが、果たして私が名を当てれるか心配である。ジグザグに登るにしたがって、流れが遠ざかって行く。やがて急登に差し掛かって一気に高度を稼げるはずだが、「山ノ神」はワラビがあるなどと、何時もの調子で足を止めてしまう。

「山ノ神」 頑張る! シラカバとブナの中の急登

 ちょっと我慢をすれば、ゆるやかな登りに変わり、展望が開ける地点に立った時、時計が正午を示した。登り始めからシラカバやブナが多く感じのいい山道だったが、この時期だからか、タムシバの白い花もとてもきれいに感じ、しかも沢山あるのである。しかし、このタムシバもコブシではないかと指摘され、花の名に対して、益々自信がなくなっていくのである。
雀平からの展望説明板

 開けた高台から5分ほど行くと、その場所よりも少し広く、そして少し高い場所に着くが、そこが雀平と言って、視界が利く時は、剱岳から笠ヶ岳までの大展望だと小さな看板が立ててあった。
チョット開けた雀平にて

 ここから先は、標高差150b、あと30分の道程であるが、「山ノ神」がそんなに時間を要しないと言う。急登を7〜8分凌ぎ、ササとブナの林を通り抜け、チョット上がった所に境界の石柱がある。
 先に行って湯を沸かし、食事の支度をしようと思っていたが、「山ノ神」の姿が見当たらず、何度声を掛けても返事もない。仕方なく今来た道を戻ってみると、岩のようにどっしり腰を降ろし動こうともしない。“どうしたのか?”と聞くと、“今日は一度も休憩していない。”“一回も水分を補給していない。”などの返事が矢継ぎ早に返って来た。その後の一言が、必ずと言っていいくらい喧嘩を引き起こし、気まずい思いをしなければならなくなるので、じ〜っと我慢をする。
「天蓋山頂上」にて

 境界の石柱を二つ見て、少し下った所に、僅かな残雪を踏んで登り返せば、1527bの天蓋山頂上である。薬師岳や北ノ俣岳また黒部五郎岳や笠ヶ岳がぼんやりと、しかも上部は霞んでいて超展望とはいかなかったが、1500bを超える静かな山頂は、それなりの趣を感じさせてくれた。


 私は今回が2度目の登頂となったが、6度目になる「山ノ神」によると、芽吹きの新緑の時期もいいが、紅葉や晩秋の天蓋山はもっと雰囲気が良いと言う。“今度また来るか!”などと言いながら、暗くなった空を気にしながらも、一食分程ののワラビを採りながら下った。
 余談だが、「岐阜県の山=山と渓谷社刊」に、天蓋山は「日本二百名山」とあるが、それは間違いである。



■■■コースタイム■■■
高岡8:15=双六渓谷経由=山之村登山口(10:25〜45)=雀平12:05=天蓋山頂上(12:50〜14:05)=雀平14:25=登山口(15:25〜35)=山之村隧道経由=高岡18:10

□□□同行者□□□
        比佐恵